近江八幡の町

[伝統的建造物群保存地区]にも指定されている商家町です。

二十数年前、舎主が市立資料館から依頼されたレプリカ製作に訪れた時には、昼食を食べるお店も見当たらなかったという町が、今ではこんなに美しく昔日の姿を取り戻し、観光客が行き来する町になっていました。

 

私が近年訪れた伝統的建造物群保存地区の中で、秋田県角館の武家町、長野県妻籠宿の宿場町、、新潟県佐渡の宿根木の港町、徳島県東祖谷山村落合の山村集落など、特に地方の町に惹かれるのは、中年期後半に差し掛かった人間の懐古趣味 もありますが、その地域が持つ古い遺産をてこに、なんとか現在を生き抜こうと努力する人たちのエネルギーに勇気付けられるからです。

昔、琵琶湖を往来する荷船で賑わっていただろう「八幡堀」、今でも時代劇のロケにも使われるというのは、なるほどと思わせる静かな癒しの空間です。  

 

今回見つけたもっともお気に入りの場所

「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」

 

「ボーダレスアート」(「知的障害者と健常者の境界線の無い芸術」と定義されるのだそうですが‥)という言葉を知らなかった私は 、「何がボーダレス?」などと思いながら古い町屋風の門をくぐりました。
伝統的建造物群保存地区にある昭和初期の町屋(旧野間邸)を改築し、2階の和室や庭にある蔵なども使って、庭まで含めた一戸の「いえ」がミュージアムになっています。

 

 

 

5月29日まで行っている春の特別企画展

「ココロの景色」****おすすめです!!

 『自分とは、いったいどういう存在なんだろう。』

 『あなたの心はいかなる作品を生み出すか、あるいはいかなる作品との出会いを求めるか‥』

 『6人6様の「心の在処」としての風景と対話して‥』(全て「ココロの景色」カタログより)

 

6人の作品にそれはそれは圧倒されながら、凛とした静けさの漂う2階の和室に座って庭を眺めていると、いやでも自分のココロを覗きたくなるのです。

アウトサイドとインサイド?‥ボーダーは???‥と

更に、この「図録とチラシ」です。

図録は美しい紙を使っておられます。6人の作品を紙面に表現することへの製作者の意欲と個性が強烈に伝わってくる作品だと思いました。

機会があったら是非、立ち寄られることをお勧めします。 

 

【食】まるごと近江八幡クーポン

一枚1000円で4施設入館料+地域のお店でのお土産・試食つき(地域振興の意気込みが伝わって、つい買ってしまい、お店巡りでお腹一杯です)

特にわたしのお気に入りは、写真の「吉井」オリジナル【丁子麩もなか】

香ばしく焼き上げた丁子麩を皮にくろごまペーストの餡、好みで粒餡をトッピング‥普通のもなかより数倍厚く、ほんのり茶色く焼き上げた麩が口の中でバリバリッ!‥美味です!

 

私とは違う場所でがんばっている人たちの中に、お客様のように身を置くのは、なんだか恥ずかしいような‥でもそのエネルギー、少しいただいて帰ります。

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コメント: 2
  • #1

    まりこはん (火曜日, 22 3月 2011 03:16)

    ちょっとご無沙汰・・と思ってたけど、3週間以上だったみたい。
    きっちり更新されてました。すごいです。
    今回もじっくりといい内容で、すっかり行きたい気分になりました。
    実際は1年ほど前に行ってるんだけど、私と相方はとにかく歩きまわるだけで、味わい方が浅いようです。

  • #2

    gengensha (火曜日, 22 3月 2011 22:55)

    いえいえ、私の場合、味わいどころかつまみ食いですから‥
    近々、春日大社宝物殿の仕事と3月の植物園をUPする予定です。
    また、お立ち寄りください。(E)