丹波・・「青磁」と「重森三玲の庭」

兵庫陶芸美術館で「青磁のいま」と題し<中国・南宋時代の名品><日本の近代の11人の作品><日本の現代の10人の作品>を追う展覧会が開かれています。

この現代の10人の一人が、図録の仕事をさせていただいた神農巌先生です。

再びあの「堆磁」が見られる!と美術館のある篠山市へ出かけてきました。

 

「青磁」とひとことに言っても、つくられた時代・作家によってこれだけ違うのだと実感させられ、実におもしろい展覧会でした。

お勧めです。

 

 

 

 

美術館のある丹波立杭は、丹波焼の郷。

懐に包まれるような優しい形の里山に囲まれた美術館へ向かう道の脇には、ずらりと窯元の建物が並んでいます。

 


一日見て廻っても飽きないのですが、今日は時間もないので「陶の里」の窯元横丁で一挙に54件の窯元の作品を見ることにしました。

で、舎主が惚れ込んだのがこれ。

「丹文窯」の大西雅文さんの抹茶茶碗。


両の掌に包んだ感触も素晴らしい!と衝動買い(お茶なぞ嗜まないのに、好きとなったら我慢できない・・・)

この窯だけは急いで訪れたのですが、まだ若い作家さんで、従来の形に囚われないエネルギーにあふれて、どの作品もとても面白い!



本日のもうひとつのメインは丹波にある重森三玲の庭。

ここに紹介した以外にもここ丹波地方には、正覚寺「龍珠の庭」・旧畑氏庭園「蓬春庭」があります。


住吉神社「住之江の庭」

セメントの線が不思議なリズムを喚起します。

無人の神社なので、塀越しにしか見られません。


石像寺「四神相応の庭」

昨年の台風による土砂崩れで寺院の本堂と共に土砂に埋もれた庭。

災害前は、それぞれの石の周りは苔に覆われ、4つに区切られ地面は4色それぞれの砂利を敷き詰めたモダンな庭だったはず。

あれだけの災害に見舞われながら、すでにここまで復旧がすすんでいました。新しい竹塀は作庭当時のようにしっかりと「四神」「石」と描かれています。すごい努力に、ただただ脱帽です。

『白虎』白い石英石に白い白川砂

『玄武』丹波の黒石に黒の砂利



『朱雀』鞍馬の赤石に赤い鞍馬石


『青龍』泥片岩に青砂




何度訪れても丹波の土地は美しい。

この屋根・・・神社の千木の形です。土塀も旧い形を維持され、本当に美しい家屋です。

 

 

トタンで覆われた屋根の形もしっかりと旧来のものを残しています。

そこに住まわれ維持するのは大変な事と思いますが、嬉しくなります。


私の好きな丹波へ、一度是非どうぞ!