南山城の古寺と仏像

2012年京都非公開文化財特別公開が開かれています。

「海住山寺」の五重塔内部が見られるというので、今回は南山城の古寺と仏像巡りに行く事になりました。

調べてみると、南山城方面は垂涎の文化財の宝庫です。

木津川沿いに多くの寺院が点在しています。

一日で廻れるのは「海住山寺」「神童寺」「蟹満寺」「寿宝寺」「観音寺」、間に「山城郷土資料館」を入れるのが精一杯でした。


「海住山寺」五重塔
「海住山寺」五重塔

「海住山寺」は三上山中腹にあり、境内から南の方角を望む景色はすばらしい!の一言に尽きます。

中興の祖「貞慶」が補陀洛山になぞらえて命名したというのがわかる気がします。

向かいのポコッとした山は「鹿背山(かせやま)城跡」。

歩いてみたいけれど、今日は我慢。

手前に木津川が流れ、その手前に「恭仁京跡」があります。


五重塔の内陣扉絵、塔内に安置されている木造四天王立像、間近にゆっくり拝見することができました。

右に載せた仏像はもちろんのこと、「法華経曼荼羅」なども間近で拝見すると、本当に味わい深いものです。

 

徒歩でここまで登ると国道から40分ほどは掛かるようで、皆さん息を切らして登ってこられます。そのようにしてたどり着いた先に出会う仏様は、いかばかりの感激を与えるかと‥

車で登ってきたのが申し訳なく感じてしまいます。

 

 

 

 

神童寺山門
神童寺山門

 

  

 

【木造十一面観音菩薩立像】(海住山寺発行「海住山寺の美術」より)
【木造十一面観音菩薩立像】(海住山寺発行「海住山寺の美術」より)
【木造十一面観音菩薩立像】(海住山寺発行「海住山寺の美術」より)
【木造十一面観音菩薩立像】(海住山寺発行「海住山寺の美術」より)

神童寺本尊【蔵王権現立像】(雑誌「サライ」11月号より)
神童寺本尊【蔵王権現立像】(雑誌「サライ」11月号より)
(雑誌「サライ」11月号より)
(雑誌「サライ」11月号より)

雑誌「サライ」の11月号の特集は「秘仏と仏塔を訪ねる京都」と題して、『知られざる南山城”奥の細道を歩く”』が取り上げられています。

観光客はもちろんの事、地元の人間でさえあまりいかないこの地域を取り上げるとは‥、えらい!

御住職とそんな話をしていたら、京都国立博物館の平常展示館の建替後のオープン特別展が、南山城近辺の文化財だそうです。楽しみですねえ。

各お寺の御住職は、出品の要請にどう答えるか思案中だそうですが‥

たとえば、上の蔵王権現は高さ270cm。

下の蟹満寺の釈迦如来坐像は、金銅仏で240.3cm。

どちらもご本尊ですし、おいでいただくのは無理かもしれませんねえ。

 

蟹満寺本尊【釈迦如来坐像】(蟹満寺パンフレットより)
蟹満寺本尊【釈迦如来坐像】(蟹満寺パンフレットより)
「寿宝寺」パンフレット
「寿宝寺」パンフレット

寿宝寺の「十一面千手千眼観世音菩薩立像」

千本の手が、まるで孔雀の羽のように優雅に曲線を作るのを目前に見ると、圧巻です。

 


「観音寺」の遠景
「観音寺」の遠景

盛時は諸堂13を持つ大寺であったというのが頷けます。深い緑と広い田園に囲まれた、静かな佇まいのお寺です。

 

余りに美しく燐とした仏様です。

あらゆる角度から自由に拝見させていただけました。

見る方向によって、厳格にも微笑んでいるようにも見えて、飽くことなく見つめていたくなる仏様です。

 

 

観音寺【十一面観音菩薩立像】               (寺院にて販売されている写真)
観音寺【十一面観音菩薩立像】               (寺院にて販売されている写真)

このあと、名庭園で名高い「一休寺」に立ち寄り帰路につきました。

古寺と仏像、堪能の一日でした。

次回は、離れていて行今日は行けなかった、宇治田原にある「禅定寺」を是非訪ねてみたいものです。