「佐藤忠良展」 佐川美術館


絵はがき から
絵はがき から

 

 

 

館内にはいたるところに佐藤忠良の作品が置かれています。

これらの作品と、外に光る水辺の景色を眺めながらのコーヒーショップで過ごす時間は、至福の時といってもよいでしょう。

 

 

滋賀県守山市にある佐川美術館で開催されている「佐藤忠良展」に行ってきました。

 

この美術館に初めて訪れた人は、建物の美しさに息を呑むことでしょう。

私もそうでした。

琵琶湖をイメージした建物は、一瞬、湖に浮かぶ島のように錯覚させられます。

水面は地表と続くかのように、すれすれの高さまで常に水が湛えられています。

風に吹かれて僅かに波立つ水面に、キラキラと光が反射し、周りの樹木が映されています。

  

右手に水面を眺めながらこの長い廊下を進んだ先に、美術館入り口があります。

 (この後姿は‥舎主です) 

 

  

掛かっている看板は、何の木材を使っているのか?

周りの雰囲気に溶け込んだ、良い感じです。

 

 

 

 

「うんとこしょ、どっこいしょ」

誰もが聞いたことがある掛け声、絵本「おおきなかぶ」の絵をかいたのも佐藤忠良です。

おおきなかぶに一列に並び掛け声をかける、おじいさん、おばあさん、孫娘、犬、猫、最後にネズミ‥目に浮かんできますね。

  

 

 

 

エントランスホールでは、佐藤忠良の彫刻「マーメイド」が出迎えてくれます。

二本の足がそれぞれ尾びれになっていて、面白いですね。

会場内はもちろん写真撮影禁止。

でも、一部作品は、手でさわっことができるようになっています。

 

私が始めて出合った佐藤忠良の作品が左の帽子を被った女性像です。

この作品に感動した自分に驚きました。

それまで、彫刻作品に興味を持ったことはなかったし、自分には理解できないものだと思っていましたから。

 

今回訪れたのも、この女性像の雰囲気だけが、偶然気に入ったのか確かめたかったからかもしれません。

 

20代からの、彫刻・絵画・スケッチ・本の挿絵、文章までもが展示されているのを全て見て、私は佐藤忠良、その人が好きだったのだと思いました。

 

新しい型の帽子やマント、若者がはきだした「Gパン」が作り出すしわ、子供の日常の動作、何にでも偏見なく興味をもち愛情を注ぐ。

そして、それを形に表現することが、自分が生きているということなのだと、彼の作品は語っているようです。

それらを見ていると、嬉しくなってくるのです。

で、今回記念に買ってしまったのが、ミュージアムショップで売っていたこのブローチ。

展覧会では、数個ののブローチが一つの額に額装されていて、とても面白かったので‥。

この鳥のブローチに似合った額を捜すのが楽しみです。


 

もうひとつ、今回楽しみにしていたのが、2007年に増築された「樂吉左衛門館」

十五代樂吉左衛門の作陶作品が展示され、設計創案・監修も自身がおこなったという建物です。

 

写真に見える建物は茶室(要予約で入室できます。が、本日は予約で一杯でした)、展示室はこの地下にあります。

樂吉左衛門館に繋がる水辺は他とはちょっと違います。

琵琶湖の葦が植えられ、人工的にひと筋の水流を造っています。

これだけでも、随分と違った雰囲気に見えるところなど、おもしろいです。

 

そして、地下への階段を降りたとたん、下の写真です。

正直、度肝を抜かれます。 (是非、拡大して写真を見てください)

 

正面の明るいところは、その上だけ天井にガラスがはめられ、その上を水が流れています。その光が、(多分)コンクリート打ちっ放しの壁に差込み、終始微妙な光の動きを作っているのです。

エントランス室内には、どこから持ってきたのかと思うほどの、巨大な古木のベンチがおかれています。

室内に入った瞬間、何が起こっているのか?とあせるほどです。

そして左手扉奥が展示室、室内は暗く、ライトが多用された中に作品が浮かび上がっています。 


自宅から1時間で来られるのに、オープン以来5年もサボっていたことを反省!です。

次回は1ケ月前になるのを待って予約を入れ、茶室を堪能してきたいと思っています。

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コメント: 2
  • #1

    まりこはん (金曜日, 01 6月 2012 23:44)

    お久しぶりです。
    数日前に、JRの「春の関西1デイパス」というものを知り、期間が明後日に迫った今日、佐川美術館へ行ってきました。
    Eさんの紹介が無ければ、気になりながらも遠さと交通費の前にくじけていただろうと思うのですが、本当に行って良かった、何もかも素晴らしかったです。ありがとう。
    中でも「Gパン」は、中学校の時に美術の先生が持っていた週刊誌で見て以来忘れられない作品で、私にとって佐藤忠良は「Gパン」でした。今回初めて直に見られてあらためて感動しました。
    お天気が良かったので、建物の周りの水面のさざ波や、それが水底に作る網の目などにもゆっくりと気を巡らせて、久しぶりに美しい物を満喫してきました。

  • #2

    gengensha (土曜日, 02 6月 2012 22:50)

    まりこはん!ブログを見て行ってくれたのね。
    嬉しい、嬉しい!!
    自分が気に入っちゃうと、独り占めはもったいなくて、見て!見て!行って!行って!と、言いまくってしまいます。
    それで「感動」とか「満喫」とか言っていただいて、もう幸せです~。
    (E)