レンタサイクルで小浜の寺巡り

若狭おばま寺パンフレット(若狭おばま観光協会発行)
若狭おばま寺パンフレット(若狭おばま観光協会発行)

すばらしいパンフレットです。

小浜駅に降り立って、これを手にした時から、この仏様たちに会ってみたいと思わされます。

 

小浜市は観光客にやさしい町だと思います。

今回、他の用事で小浜を訪れることになり、それならと突然思い立った寺社巡りですが、下調べをしているうちに、観光協会のHP、パンフレット、レンタサイクルやサイクリングロードの整備と、これは見っけ物かも‥と気合がはいってきました。

 

一日かけて、ひとり自転車を漕ぎまくり、これらの寺をまわりました。  

仏像の写真を撮りUPすることはできませんので、小浜市HPの「デジタル文化財図録」の該当ページをリンクしておきます。是非ご覧ください、そして機会があったら行ってみて下さい。

 

 

サイクリングMAP(若狭おばま観光協会発行)
サイクリングMAP(若狭おばま観光協会発行)

午前9時、まず小浜駅にてレンタサイクルを借りるところからスタートです。

レンタサイクルは変速機つきもあり、始めに2時間までの料金300円を払っておけば、返却時に清算してくれます。4時間まで500円、8時間まで1000円です。はじめに時間を決めなくて良いところがやさしいですね。

東小浜駅でも借りられます。が、それぞれ借りた場所に返さなくてはいけません。

どちらに返却してもよければもっとやさしいかもと思います‥なにせ本日の目玉「羽賀寺」と「明通寺」は両駅をはさんで対角線上にあるのです、この夏の日差しの元、きつい!

 

 

「羽賀寺」本堂
「羽賀寺」本堂

小浜駅から羽賀寺(所要時間25分)

小浜は海だけでなく、美しい水の水路に囲まれた青々とした田園が、本当に心地良いところです。

その景色を楽しみながら、緩やかな山並みに向かったさきに羽賀寺はひっそりとたたずんでいました。

木造千手観音菩薩立像は修理にだしているということで、見ることができませんでしたが(今秋にはお戻りになるとのこと、また会いに行きます)、木造十一面観音菩薩立像は驚くほどのv鮮やかさで目前に佇んでいました。

小浜はほとんどのお寺で、手でふれられるほど近くで、心行くまでゆっくりと仏様を拝見できるところが、とてもすばらしいのです。

 

「明通寺」三重塔
「明通寺」三重塔

羽賀寺から明通寺(所要時間45分)

あまりの暑さに「若狭歴史民族資料館」で一休み。ここは民族行事や神社祭礼などの展示がとても豊富でした。

***2014年7月「若狭歴史博物館」としてリニューアルオープンしました。その様子の紹介はこちらのブログ***

国分寺を外から眺めてから、明通寺まで松永川に沿ってつくられたサイクリングロードは快適です。

明通寺の本堂は現在、桧皮葺の屋根の葺き替え工事(来春までかかるようです)のため、ブルーシートに覆われていたのが残念でしたが、三重塔はさすが国宝、写真のように堂々として見事です。現在内部も公開されており、釈迦三尊像と阿弥陀三尊像を拝むことができます。

ご本尊は木造薬師如来坐像、私は脇に立たれた木造降三世明王立像木造深沙大将立像をとても気に入ってしまい、間近でのんびりと拝ませていただきました。

「萬徳寺」庭園
「萬徳寺」庭園

明通寺から萬徳寺(所要時間20分‥上り坂のトンネルあり)

埋石式枯山水庭園が国指定名勝庭園に指定されているお寺です。この庭園の横、急な石段を登ったところに阿弥陀堂があり、木造阿弥陀如来坐像が安置されています。

ひとりお堂に入り、ゆっくり対面することができました。

「神宮寺」本堂
「神宮寺」本堂

萬徳寺から神宮寺(所要時間10分)

途中、森林の水PR館で昼食、竹炭デニッシュが美味でした。

ここは、奈良東大寺・二月堂のお水取りの水を送る「お水送りの寺」として有名です。

近くを流れる遠敷川(おにゅうがわ)の2キロ上流「鵜の瀬」に注がれたお香水が、10日後、二月堂の「若狭井」から湧いてくる‥なるほど、です。

 

神宮寺から多田寺(所要時間25分‥登り坂のトンネルあり)

こちらのお寺では、20軒の檀家でこの寺を維持することの苦労を切々とお話くださいました。

本堂が国指定の文化財になれなかったことが悲しげ(くやしげ)でした。

数年前まで桧皮葺のうえに瓦を載せた屋根だった時は、雨漏りで大変だったのを、近年銅版葺にしたとの事。

近くの明通寺は本堂も三重塔も(何といっても国宝ですから)桧皮葺の葺き替えをしているのを見ておられますから、さもありです。

ご本尊の木造薬師如来立像 はなんともアジアチックなお顔、木造十一面観音立像はお出掛け中、他に 木造菩薩立像 もおられます。

来春には京都の龍谷ミュージアムでこれらの仏像が展示される予定との情報も得ました。

 

小浜湾に夕陽が沈んだあと
小浜湾に夕陽が沈んだあと

多田寺から小浜駅(所要時間40分)

午後4時、7時間のサイクリングを終え小浜駅に戻ってきました。妙楽寺と圓照寺は次回のお楽しみです。

最後は前日日没に撮った小浜湾の写真で締めくくります。

尚、関西から小浜へは、一旦敦賀まで北上し小浜線(海岸沿いを走る叙情豊な電車です)で、と思い込んでいました。

が、小浜駅からJRバスに乗り、鯖街道で有名な熊川宿を通り、終点近江今津で下車、ここから湖西線という今回帰りに使ったコースは、時間も短く、旧街道の風情も味わう事ができ、お勧めです。